4stオイルの粘度

オイルと温度

缶から出したばかりのオイルは、まるでハチミツのようにねっとりしています。(※飲んではいけません)

motor-oil2010.jpg

このねっとり具合を粘度といいます。オイルの粘度は常に一定というわけではなく温度によって固さが変化します。

高温になるほどシャバシャバな水に近づき、低温になるほどシャンプーや歯磨き粉の固さに近づく特性を持っています。

もし、オイルの温度が高くなり過ぎて粘度が無くなってしまうと、まるでシャワーを壁にかけたようにサラサラ流れてしまい、どんなに高性能な潤滑性能を持っているオイルであろうとも、その部分は潤滑出来ません。

また、温度が低すぎてオイルが固いと、間違って発射したシャンプーのように壁にへばりついてなかなか下りてこなくなってしまい、エンジン内をオイルが巡って循環することが出来なくなってしまいます。

そこで添加剤の登場です。

低温でも固くなりにくくなる流動点降下剤や、高温でもシャバシャバになりにくくする粘度向上剤をオイルに入れることで、オイルが適正粘度を保てる温度の幅を広くすることが可能になります。

しかし、どこまでも温度の幅が広がるわけではなく、高温に強いレース向けオイル、極寒の中でも潤滑してくれる寒冷地向けオイルというように適応できる幅がどちらかに偏るのが普通で、高温低温どちらにも耐えられる高性能オイルとなると、びっくりするほど値が張ってしまいます。

そこで、自分の住んでいる地域や季節、想定される回転数や乗り方などから、自分に合ったオイルを選ぶのが賢い買い物となるでしょう。


SAE規格による粘度表示


ほとんどのオイルには、10W-30とか単に30 などの表示があります。

Castrol-HD30.jpg Castrol-EDGE10W-30.jpg

これらの数値は良く見れば、SAE10W-30 とか SAE30と書かれているはずです。

これはSAE(米国自動車技術者協会)による粘度に関するテストを受けた結果を表す数値です。

シングルグレード

数字が1つしかないオイルはシングルグレードといいます。

油温が100℃の時に、オイルがどのぐらい固いかを示す表示です。

シングルグレードでは、エンジンオイルとして適度な粘度を持たせると寒さで固まりやすいオイルに、寒さに強くすると高温で油膜が切れやすいオイルになってしまうという適応温度の範囲が狭いオイルなので、もし日本でシングルグレードをバイクに使うならば、夏と冬で固いオイルと柔らかいオイルを使い分ける必要があります。

現在は、季節をあまり気にせず使えるマルチグレードが主流になってしまったため、シングルグレードはちょっと古い規格となってますが、温度管理が適正ならば問題なく使えますし、何より値段が安いので長距離大型トラック用オイルなどでは現在も日常的に使われています。


マルチグレード


10W-30 のように数字が2組で表示されたものがマルチグレードです。

オイルとして使える適正温度の範囲がとても広いのが特徴で、現在ではバイク/自動車ともにマルチグレードが主流です。

前側のW付きはWinterのことで、どの程度までなら寒くてもオイルの固さを失わないかを表し、ハイフォンより後側の数値は油温が100度の時の粘度を表しています。


5W-30の例


SAE規格による気温と粘度の関係表


表の温度(℃)は、一般的にそのオイルが使用可能な外気温を表しています。
車種によってエンジン熱量に違いがありますので大雑把な目安にしかなりませんが、参考にしてください。

sae_temp.gif

粘度選び


冬の氷点下付近になると、寒さでオイルが固くなってしまってエンジンのかかりが悪かったり、エンジンが完全に温まりきるまでギアの入りが悪い/クラッチを切っているのに少し進んでしまうなどの症状がでることがあります。こういった場合は、マルチグレードのW側を寒さに強いオイルに交換することでたいていは解決します。(上の動画を参照)

具体的には、現在のオイルが10W-30ならば、5W-30あるいは0W-30にすると良いということです。


また、走行してエンジンが温まると油温は70~110℃と言われていて、120℃で注意130℃までいくとオイルが粘度を保てずエンジンがダメージを受ける危険があります。オイルを別のものにしたからといって良く冷えるようにはなりませんが、120℃付近でもなんとか粘度を保ち踏ん張ってくれるオイルが欲しいのであれば、標準より高温に強いオイルを入れておくと安心と言えます。

ただし、オイルが固いこと言う事はエンジン作動時の抵抗の増大を意味し、抵抗が増えれば馬力も最高速も燃費も当然悪くなってしまうので、必要も無いのに無闇に高粘度のオイルを使うことが良いことではありません。かといって、燃費改善を狙って標準より低粘度オイルを使うと高温になった時、油幕切れが発生してエンジン内部がキズだらけになるリスクが高まってしまいます。

ですから、良く分からないのであれば無理なオイル選択は避けて、バイクメーカーが取扱説明書で指定している粘度か、季節によってそれよりも少しだけ優れていると思われるオイルを選んでください。



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  • 最終更新:2014-08-24 11:12:19

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