オイルの中身

オイルに求められる性能

オイルはベースオイルという原油から取れたての状態では現在は販売されておらず、各メーカーが何らかの添加剤を配合したものが販売されています。

エンジンオイルに求められる性能は大きく分けて5種類あり、それぞれの性能を追加させるためいろいろな添加剤が入ってます。

性能 主な役割 備考
潤滑 金属の間に入って擦り合わせから金属を守る 滑りを良くし過ぎるとクラッチも滑ることがある
冷却 血液のように循環して温度を分散させる 熱ダレとか
密閉 シリンダ-ピストン間などの隙間を埋める エンジン精度により適度な密閉作用が必要
洗浄 スラッジなどの汚れを落とす オイルが黒くなる主な理由
防錆 表面にまとわり付いて錆びを防ぐ 金属になじむ・皮膜状態を保つ力


なお、原油から取れたばかりのベースオイルはSA級10W-30相当と、かなりグレードの低い物なので、生の状態では現在は市販されていません。




オイルに最初から入っている添加剤

主要な添加剤の一覧です。

添加剤 作用 備考
粘度向上剤 温度上昇に伴い粘度が下がって、水のようになってしまう事を防ぐ 詳しくはマルチグレード参照
流動点降下剤 暖気前のオイルの粘度の確保 詳しくはマルチグレード参照
洗浄分散剤 燃焼に伴い発生する汚れを除去 汚れをそぎ落としたり、再び付かないようにはじく能力
消泡剤 攪拌されても泡になりにくくする 泡ばっかりになるとポンプで送れず、オーバーヒートしてしまう
酸化防止剤 酸化物質を中和させる錆び防止剤 皮膜形成型や中和型がある
腐食防止剤 汚れた油は錆びの原因なので、それを中和する作用 オイルが酸性化するのを防止
潤滑性向上剤 潤滑性能を上昇させる 強すぎるとバイクの場合は、クラッチが滑る事がある
極圧剤 強摩擦でオイル皮膜が破れた時に作用する金属同士の融着防止剤 二硫化モリブデンが有名

ざっと挙げただけでもこれだけの添加剤のいくつが組み合わされて、オイルには最初から入っています。

そして、同じ性能の向上を狙うとしても、A社とB社では添加する成分がまったく違うものだったり、たまたま同じものを使っていても入れる量が違うということがあります。
なかには成分によっては副作用が強いものがあり、副作用を打ち消すためにさらに添加剤を入れるなどの手法もあります。

これらの配合は各メーカーの思想の違いが出ている部分でもあり、実験に実験を重ねたノウハウの塊でもあります。




オイル成分は企業秘密

これらの添加剤の配合は、各メーカーでトップシークレットとなっており、一般人が知るチャンスはまずないでしょう。

なぜなら開発には、良いと思われる添加剤を見つける⇒実際にオイルを作成⇒バイクに入れて実践⇒使ったオイルと走行データを回収⇒オイルを成分分析機で解析⇒以前と比べて本当に良くなったかその時の走行と解析を合わせて比較、という作業を何度も何度も繰り返し、ようやく「このオイルこそ1番だ」ど言える状態になってから販売されているからです。

参考:WAKO'Sの場合

もしも、開発費を回収していないうちに他メーカーに配合がばれてしまい、開発費にお金を掛けていない他メーカーがお安く販売でもしてきたら、本家の勝ち目ゼロ。
回収後であっても次世代オイルの開発のために、資金をある貯蓄する必要がある事を考えれば、とてもじゃないけど配合は教えられないってことです。

しかし、中身は完全に秘密のままで商品を売るというのもまた難しいことでもあります。

そこで過酷な環境であろうレース(特に耐久レースなど)で自社製品を使ってもらって、提供した人が優勝したりすれば、優れたオイルだと証明できたことになるので、スポンサーとしてあちこちにオイルメーカーの名前が貼ってある訳です。


そうは言っても、成分や配合が完全非公開では、そのオイルがレースでは高性能なのかもしれなけど、街乗りする自分のバイクに良いオイルなのかどうかは、どうしても不安が残ります。

そこで、API(アメリカ石油協会)などの団体が指定する一定のテストを行い、そのテストがクリアできたかどうかで階級分け(グレード/等級)して、その表示を商品に行っています。
難しいテストをクリアするほど、エンジンにとって高性能なオイルだろうという一定の基準です。

買う側は、それらの規格表示を頼りにオイルを選ぶことになります。



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  • 最終更新:2018-12-13 23:04:51

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