オイルの中身

オイルに求められる性能


ベースオイルの種類でも述べましたが、オイルはベースオイルという素の状態では現在は販売されておらず、各メーカーが添加剤を配合したものが販売されています。

エンジンオイルに求められる性能は大きく分けて5種類あり、それぞれの性能をアップさせるためいろいろな添加剤がちょっとずつ入ってます。

性能 主な役割 備考
潤滑 金属の間に入って擦り合わせから金属を守る やり過ぎるとクラッチも滑ることがある
冷却 血液のように循環して温度を分散させる 熱ダレとか
密閉 シリンダ-ピストン間などの隙間を埋める エンジン精度により適度な密閉作用が必要
洗浄 スラッジなどの汚れを落とす オイルが黒くなる主な理由
防錆 表面にまとわり付いて錆びを防ぐ 金属になじむ・皮膜状態を保つ力


各メーカーが独自に入れる添加剤の種類/量に関しては、いわば老舗の秘伝のタレにあたり、一般公開される可能性はまずありません。


この閉鎖性がオイル議論(どこどこのオイルが最強)をまねく主な原因です。


オイルに最初から入っている添加剤


主要な添加剤の一覧です。

添加剤 作用 備考
粘度向上剤 温度上昇に伴い粘度が下がってシャバシャバになるのをを防ぐ 詳しくはマルチグレード参照
流動点降下剤 暖気前のオイルの粘度の確保 詳しくはマルチグレード参照
洗浄分散剤 燃焼に伴い発生する汚れを除去 汚れをそぎ落としたり、再び付かないようにはじく能力
消泡剤 攪拌されても泡になりにくくする 泡ばっかりになるとポンプで送れず、オーバーヒートしてしまう
酸化防止剤 酸化物質を中和させる錆び防止剤 皮膜形成型や中和型がある
腐食防止剤 汚れた油は錆びの原因なので、それを中和する作用 オイルが酸性化するのを防止
潤滑性向上剤 潤滑性能を上昇させる 強すぎるとバイクの場合は、クラッチが滑る事がある
極圧剤 強摩擦でオイル皮膜が破れた時に作用する金属同士の融着防止剤 二硫化モリブデンが有名

ざっと上げただけでもこれだけの添加剤のどれかが、オイルには最初から入っています。

そして、同じ性能の向上を狙うとしても、A社とB社では添加する成分がまったく違うものだったり、たまたま同じものを使っていても入れる量が違うということがあります。成分によっては副作用が強いものがあり、副作用を押さえるために少なく入れたり、副作用を打ち消す添加剤をさらに入れるなどの手法もあるでしょう。また、使い捨てであるオイルに超高価格な成分を惜しみなく使ったり、製造工程で添加剤を投入するタイミングなんかも、各メーカーの思想の違いが出ている部分でもあり、それらの配合は実験に実験を重ねたノウハウの塊でもあります。

これらの成分や配合の違いは、分かりやすく言うと同じカレーライスでも、味が作る人によって違うのと同じです。
リンゴやはちみつ、牛乳やパイナップル、生クリームや片栗粉などなど、カレーにとって良くなるものはたくさんあります。

その中でどれがNo.1かは食べる人(使う機械)によって異なるため、必然的に1社の独占とはならず各社競い合っているのが今の現状です。


オイル成分は企業秘密


例えば、オイルメーカーが開発に5年掛けた自信のオイルをたくさん売るために、買ってくれるかもしれない人々に成分情報を公開して熱心に自社オイルのすばらしさを訴えたとしましょう。

そうするとライバルメーカーがこの話を聞きつけ、成分情報を元に1ヵ月後には同じものを安く作ってしまうかもしれません。これでは5年掛かった開発費が回収できずメーカーが潰れてしまいます。

こういった不毛な争いを避けるために、オイルメーカーは成分を企業秘密としています。


しかし、成分は秘密のまま売るというのは結構難しいことです。

性能は高いオイルであることをアピールしなければならないオイルメーカーは、F1やGPレースで使ってもらい極限状態でも問題なく使用可能なことを宣伝したり、他社よりも優れていると証明するため優勝しそうなレース車両にステッカーを張ってもらったり、時には凍ったバナナで釘を打ったりしているわけです。

しかし、成分や配合が完全非公開では、そのオイルがレースでは高性能なのかもしれなけど、街乗りする自分のバイクに良いオイルなのかどうかは、どうしても不安が残ります。

そこで、成分は明かせないがAPI(アメリカ石油協会)などの団体が一定のテストを行い、そのテストがクリアできたかどうかで階級分け(グレード/等級)の表示を行っています。難しいテストをクリアするほど、高性能なオイルだろうということです。

買う側は、それらの規格表示を頼りにオイルを選ぶことになります。



コメントを投稿するには画像の文字を半角数字で入力してください。


画像認証

  • 最終更新:2015-01-20 12:56:24

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード